ドゥオールリサイタル　2010

約2年ぶりとなる今回の自主リサイタルでは、作曲者自編によるドビュッシー、ブラームスの著名なオーケストラ作品、そしてピアノデュオオリジナル作品による、リストが見たモーツァルトのオペラの世界をご紹介いたします。

ピアノデュオオリジナル作品だけでも、私たちが一生をかけても弾ききれないくらい数多くの作品がある中、作曲家がオーケストラ作品を自身でピアノデュオにしたその理由、背景を知りたくて、これまでも演奏会などでオーケストラ作品を取り上げてきましたが、その響きの中に身を任せると、作曲家が生きていた時代に流れていた時間と空気が感じられる気がするのです。

4本の手で演奏できるまでに作曲家が厳選した旋律、明晰な響きを皆様にお楽しみいただければと思っています。

尚今回は、両公演共に助成を受けられることとなりました（京都公演：（財）青山財団、東京公演：津田ホール）。
ご助力下さいました関係者の皆様に、深く御礼申し上げます。

皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます！

ピアノデュオ　ドゥオール（藤井隆史＆白水芳枝）とデュオ名が決定してから初めての、主催公演です。

リサイタル前半では、まずブラームスの“笑う序曲”（ブラームス自身がそう呼んだそうです！）大学祝典序曲の作曲者自編による1台4手連弾版で、当時のオーケストラ作品の新作発表スタイルを再現し、実演ではあまり触れることのない、2台ピアノのための作品の中でも難曲といわれる、レーガーのベートーヴェンの主題による変奏曲とフーガを演奏致します。
そして後半は、音楽から溢れる気品がまばゆいばかりの近現代フランスを代表する作曲家たちの作品・・鳥の鳴き声を採取し、そのまま採譜できる驚異の聴覚の持ち主であり、敬虔なカトリックの信仰を持つメシアン、そしてウィーンの華やかな舞踏会の様子と、第1次世界大戦後の不安感を同時に描いた当時衝撃の作品 ―ラヴェルのラ・ヴァルス― をお届けいたします。音、空気、時間との戯れを表現できればと思っています。

ピアノデュオ 藤井隆史&白水芳枝として、正式な東京デビューとなりました。

この公演での演奏が評価され、2006年度青山財団バロックザール賞を受賞致しました。